UJT/ダブルベースダイオード
(Uni-Junction Transistor)






UJTのピン配置


UJTの回路記号


UJTの等価回路



ユニジャンクショントランジスタ(単接合トランジスタ)は、ダブルベースダイオードなどとも呼ばれ、その名の通り、構造は、1つのPN接合です。
B2,B1間に電圧をかけるとN型シリコンからP型シリコンの接合部までは一種の内部抵抗として働き、分圧され、エミッタには、この分圧された電圧がかかります。
等価回路のように、電圧を抵抗で分圧しダイオードに逆バイアスをかけた形になっています。

UJTの性質

UJTには、B2,E,B1という端子が出ています。
(B2:ベース2 E:エミッタ B1:ベース1)


UJTは、
E(エミッタ)より内部抵抗で分圧された電圧が高い場合は、E−B1間は不通で電気は流れません。
VE<V(rb1/rb1+rb2) → E−B1 OFF

E(エミッタ)より内部抵抗で分圧された電圧が低い場合は、E−B1間は導通で電気が流れます。
VE>V(rb1/rb1+rb2) → E−B1 ON


UJT発振回路の基本回路


UJT発振回路の動作

簡単な応用として発振回路の説明をします。

上の図は、UJTを使った発振回路の基本回路です。
今、電源が入ると、RTを通してCTに電気が充電されていきます。充電電圧VCは、徐々に上昇していき、UJTのE(エミッタ)に加えられます。
一方、分圧点はUJTの内部抵抗と外部抵抗R1、R2で決められています。
UJTのEーB1間は、E(エミッタ)の電圧が、分圧点の電圧を超えなければON(導通)しません。
コンデンサの電圧VCは、電源からRTを通って徐々にCTに充電され、やがて、分圧点の電圧を越えます。
分圧点の電圧を越えると、UJTのE−B1間は導通状態になり、コンデンサCTに充電されていた電気は、一気に放電されます。
放電され、電気が無くなると、UJTのE−B1間は、再びOFF(不通)状態に戻り、CTはまたRTを通して充電をはじめ、同じ動作を繰り返します。

この発振回路からは、出力としてノコギリ波(VC)とパルス波(VO)が取り出せます。

UJTをONにする電圧は、電源電圧を分圧するUJTの内部抵抗と外部抵抗R1とR2で決まりますが、内部抵抗が比較的大きく、5kΩ〜10数kΩもあります。

それにより、

・分圧比を余り広く変更できない。
・あまり大きな出力が得られない。
・外部抵抗を大きくすると動作しない。

などの欠点があり、注意が必要です。





LEDでUJTの発振を確かめる簡単な回
(UJTは2SH-12使用)
実体配線図






LEDでUJTの発振を確かめる簡単な回路
回路図



オシロスコープによる発振の測定

RTとCTを変更し、周波数を上げてオシロスコープで波形を見てみました。





波形拡大図
(CH1:2V/DIV CH2:10V/DIV 0.5msec/DIV)
上の波形がVC、下の波形がVOです。






オシロスコープで見るUJT発振を確かめる回路
(UJTは2SH-25使用)実体配線図







オシロスコープで見るUJT発振を確かめる回路
回路図