発電機の原理と実験



変化する磁界の中の導線、または磁界の中を導線が横切ると、導線に電流が流れます。
コイルは、この性質を強めた物で、これを利用して電気を起こす装置を発電機と言います。

実験は、電磁石で使ったコイルを使って交流発電実験からはじめ、巻き数を100回、500回と増やしたものでも同じ交流発電実験し、その後、発電効率の良い、整流子のついたDCモーターで直流発電実験をします。

効率良く発電するには、磁界が強さ、コイルの巻き数、磁性体の有無、磁界の変化のスピードがなどが関係します。
ここに取り上げた以外にも色々工夫してみて下さい。
(身近な実用発電機は、自転車についている交流発電機などがあります。)


☆材料☆

コイル(電磁石の作り方で作った50回巻きの電磁石)
0.4mmポリウレタン線
2m(100回巻用)と10m(500回巻用)
(もちろんエナメル線でも出来ます。電磁石1つ作るのに1m使いますので失敗しても良いよう多めに買いましょう。)
磁石、セロテープ、単2乾電池1本、電池ソケット(単2乾電池1本用)、単3乾電池2本、電池ソケット(単2乾電池2本用)、5cm釘一本、釘の入る細めのストロー 2本、モーター接続用ゴムチューブ(モーターの2mmの軸を押さえる)、
DCモーターRE140 2個(写真では、無かったので片方をRE280を使っていますがRE140でOKです。)
☆工具☆

ニッパ
ヤスリ1200番
テスター
リード線の先がみの虫クリップのリード線
☆電磁石で使ったコイルで発電☆

コイルは、電気と磁気の変換素子です。
始めは、電磁石の作り方で使った50回巻きのコイルで実験します。
100回巻きのコイル
(50回巻きを更に続けて50回巻きました。作り方は、電磁石の作り方を参照して下さい。)
500回巻きのコイル
(100回巻きのコイルの上にからセロハンテープで固定し、更にその上に100回づつ積み重ね、合計5段で500回巻いたものです。)
500回巻きのコイルは、写真のように、導線を巻き始めに戻して、100回事にセロハンテープで固定し、巻いていきます。
交流発電実験

コイルは、今の状態を持続しようと、変化する磁界を妨げるように電気を発生します。
磁石を近づけた時、遠ざけた時のメーターの針の振れる方向が違うのを確認して下さい。

テスターの電流計の大電流レンジにし、コイルのリードにテスターのリードを接続し、磁石をつけた鉄心(釘)をコイルの中に入れて、動かしてみてください。
(あまり勢い良く動かすと釘が抜けて危険ですので、気をつけてください。)
電流計の針が振れなければ、小電流レンジに一つづつ下げていって実験してください。
(実験のテスターは、50μAが最低のレンジですが、メーターの振れは、50回巻きのコイルで針が左右にピクピクする程度で、100回巻でもあまり変わらず、500回巻でやっと1目盛、左右に振れる程度でした。
直流発電機

原理は、交流発電機と同じで、コイルが変化する磁界を妨げるように電気を発生するのを利用しますが、DCモーターは中に整流子が付いており、常に同じ方向に電気を流す仕組みになっています。メーターの針の振れが一方向なのを確認して下さい。

☆モーターで発電実験☆

手巻きコイルでは、あまり変化がないので、模型などで使われる小型のDCモーターで発電する事にしました。
同じように
テスターの電流計を大電流レンジにし、指でモーターの軸を回してみて、電流計の針が振れなければ、小電流レンジに一つづつ下げていって実験してみてください。
また、
電流計の針の振れる方向が逆の場合、接続を反対にするか、軸を回す方向を反対にして下さい。
手で回すのは大変なので、発電するモーターの軸に、電池で回しているモーターの軸を接続して発電してみました。
手で回す時よりも、多くの電流が流れますので、電流計の針が逆に振れないように、ゴムチューブで接続する前に、モーターの回る方向と、それによって回される発電機に起こる電気の極性を良く確かめて
下さい。
(実験では、DCモーターにRE140とRE280を使っていますが、RE140 2個でもOKです。)

発電した電気をテスターの電流計から、豆電球につなぎかえてみました。
しかし、豆電球は点灯しません。
1.5Vで回したモーターの発電では点灯しないので、モーターの電源を3Vに上げてみました。
すると、やっと薄っすらと赤っぽく点灯しました。