リミッタ−回路・シリコンダイオードによる
ウィーンブリッジ発振回路の実験
リミッタ−にシリコンダイオードを使って実験してみました。
シリコンダイオードの順方向電圧0.7Vを利用して、
リミッタ−にしています。
シリコンダイオードは、出力が0.7Vまでは、
殆ど電流を流さず高抵抗です。
ところが、出力が0.7Vを超えると急激に抵抗値が下がり、
導通状態になりますので、リミッタ−として働きます。
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R3:ダイオードだけの回路 実験回路図 |
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実体配線図 |
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ダイオードだけの回路では、R4を増減してゲインを調整しても、±0.8Vの写真のような波形しか出ません。 ランプやCdsと違い、シリコンダイオードだけではうまく働かないようです シリコンダイオードの順方向電圧の±0.7Vまで立ち上がり、または立下り、それを超えると導通してしまうので、方形波っぽい波形が出ています。 |
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R3:ダイオードと抵抗、並列回路 実験回路図 |
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実体配線図 |
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ダイオードに並列に抵抗を入れてみました。 R4を増してゲインを調整していくと、±0.5V位まではの写真のように綺麗な波形です。 シリコンダイオードは、0.7Vまで高抵抗で殆ど電流が流れませんので、電流は抵抗を流れ、抵抗のみの性質が出ています。 |
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R4を増して、±0.5Vを超えるあたりから、シリコンダイオードが導通状態になっていき、0.7Vを超える分は、ダイオード単体のとき程ではありませんが、写真のように、方形波と正弦波の間の波形が出ています。 ダイオードを並列に入れると、0.7Vを超える分は、シリコンダイオードを通ってしまうため、それ以上のおおきな振幅が得られません。 |
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R3:ダイオードと抵抗、直列回路 実験回路図 |
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実体配線図 |
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今度は、ダイオードに直列に抵抗を入れてみました。 振幅は、±0.8Vを大きく超え、オペアンプの出力近くまで振れます。 しかし、写真のように±0.8V部分が直線になっています。 これは、波形の大小に関係なく、この直線になります。 ダイオードを直列に入れると、振幅は大きく取れますが、電流が必ずダイオードを通らなければならないので、シリコンダイオードの性質が出てしまい、順方向電圧±0.7Vの部分で電流を通さないため、写真のように±0.8Vの部分が直線になってしまいます。 |
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R3:ダイオードと抵抗、直列・並列回路 実験回路図 |
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実体配線図 |
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今度は、ダイオードに直列・並列に抵抗を入れてみました。 今までやった直列の回路の欠点、並列回路の欠点は、 並列だけでは±0.8V以上振幅がとれず、 直列だけでは±0.8V部分が直線に でした。 そこで、直列と並列に抵抗を入れることで、振幅も大きく取れ、波形も前の回路よりきれいになりました。 R4を増して、±1Vまで、写真のように綺麗です。 |
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しかし、R4を増していき、±1Vを超えると、シリコンダイオオードの順方向電圧がだんだん出てきて、波形が崩れていきます。 それでも、抵抗と直列だけの回路より綺麗です。 |
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R3:ダイオードと抵抗、直列・並列回路にさらにダイオードに直列に抵抗を入れた回路 実験回路図 |
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実体配線図 |
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ダイオードと抵抗、直列・並列回路で、ダイオードと抵抗の並列個所は、±0.7Vを超えると、ダイオードが導通状態になり、電流の殆どがダイオード側に流れ、ダイオードの影響が、より多くでます。 ダイオードは、ゲインの調整をしてくれますが、その性質が強いと波形のゆがみが大きくなります。 そこで、ダイオードに直列に100kΩの半固定抵抗(R3−3)を入れて、ダイオードに流れる電流を調整できるようにしてみました。 R3−3が小さいと、ダイオード側に流れる電流が多くなり、ダイオードの影響を大きく受けます。 R3−3が大きいと、ダイオード側に流れる電流が少なくなり、ダイオードの影響を小さくなります。 R3−3の値 0Ω :R4の調整範囲5.7k−9.7k 前回の実験と同じ回路、R4の調整範囲は広いですが、±1Vを超えると波形がゆがんでいきます。 50kΩ :R4の調整範囲9.1k−9.7k まぁまぁ波形が綺麗です。R4の調整範囲も600Ω以上あります。 100kΩ:R4の調整範囲9.4k−9.7k 波形が綺麗でダイオードの影響が少ないですが、R4の調整範囲が狭いです。 |
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R3:ダイオードと抵抗、直列・並列回路にさらにダイオードに直列に抵抗を入れた回路 x2 実験回路図 |
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実体配線図 |
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効果があるかどうかわかりませんが、前の回路を2段にしてみました。 R3−3は、R4の程度調整範囲が欲しいので、前の実験から50kΩに近い、固定抵抗の56kΩにしました。 波形のゆがみはどの程度かわかりませんが、調整範囲は2倍近い1kΩになり、かなり調整しやすくなりました。 波形が正確さは、スペアナや歪み率計などの測定器を持っていないのでわかりません。 ここまで部品が増えると、他の方法の方が、簡単で安定しているかもしれません。 |