リミッタ−回路・アナログ・フォトカプラによる
ウィーンブリッジ発振回路の実験





リミッタ−にアナログ・フォトカプラを使って実験してみました。
ディジタル回路で制御などに使われるフォト・カプラは、
LEDとフォト・トランジスタですが、
アナログ・フォトカプラは、LEDとCDSで出来ています。
Cdsは、フォト・トランジスタ程反応が速くなく、
変化がなめらかなので綺麗な正弦波が得られます。

オペアンプの出力にアナログ・フォトカプラのLEDを、
R3にアナログ・フォトカプラのCdsをつなぎます。
光を当てないCdsは非常に高抵抗ですが、
出力が増えると、LEDの光が増し、Cdsの抵抗値が
急激に下がるので、良いリミッタ−として働きます。


実験回路図

R3の位置にCds、出力にLEDを接続します。

実体配線図
古いトランジスタ技術などの雑誌に、アナログ・フォトカプラのMCD−521という型番を良く見かけました。
そこで、パーツ店などで聞いてみましたが、MCD−521どころか、アナログ・フォトカプラ自体見つかりません。
オークションで探して、やっと左写真の物を見つけました。
プラスチックのパッケージで光が入らないようにモールドされたタイプです。
(その後MCD−521をオークションで見かけましたが、高価で手がでませんでした。)

Cds抵抗値実測:
(電源9V、LED電流制御抵抗1kΩ)

LED OFF:20MΩ以上
LED ON:400Ω
R4:470〜40kΩの間で発振しました。
(写真は、R4:10kΩ DIV/0.1ms/1V)


R4:40kΩ−5kΩの間は比較的安定した振幅電圧3.5Vp−pでした。
発振し始めのR4:470Ωでは振幅電圧11Vp−pでした。



(※LEDの電流制御抵抗を10kΩに変更すると、R4:100kΩでも発振しました。)
その後、オークションで、今度はゴムチューブにCdsとLEDが入ったタイプを見つけました。

厚いゴムパイプをカットしたものに、CdsとLEDが入っています。
LEDの色がCdsにどのように影響するのかは知りませんが、LEDの色は緑色です。



Cds抵抗値実測:
(電源9V、LED電流制御抵抗1kΩ)

LED OFF:20MΩ以上
LED ON :26kΩ
ブレッドボードに挿しましたが、かなり無理矢理です。
R4:46kΩ〜1MΩの間で発振しました。
(写真は、R4:100kΩ DIV/0.1ms/2V)

R4:1M
では振幅電圧5Vp−p46kΩにかけて振幅が変化していきました。
発振し始めのR4:56kΩでは振幅電圧11Vp−pでした。
構造がわかったので自作できないかと、5φのLED赤とCdsで自作してみることにしました。

外からの光を遮れれば良いので、厚いゴムチューブや塩ビパイプを使い、収縮チューブやテープを重ねて巻いたり、樹脂で光の入る隙間をふさげばできるはずです。

身近に同じように遮光できて自作に使える物がないかとさがしていたところ、バナナプラグとミノムシクリップのゴムが目に入りました。

バナナプラグも、削って樹脂をで埋めれば使えそうですが、加工が大変なので、今回は簡単に実験できそうなミノムシクリッブのゴム被服を使いました。
Cds抵抗値実測:電源9V、抵抗1kΩ

LED OFF:20MΩ以上
LED ON :1.75kΩ
手づくりのこんなアナログ・フォトカプラでも発振しました。

R4:2.8kΩ〜100kΩの間で発振しました。
(写真は、R4:10kΩ DIV/0.1ms/1V)

R4:100kΩ−35kΩまで、振幅電圧4Vp−pで安定していました。
発振がはじまるR4:2.8kΩで振幅電圧は12Vp−pでした。


色々さがしている中、秋月で、MACRONの「MI 0202CL」というアナログ・フォトカプラが売られているのを見つけました。
大きさ・形が基板用のリレーによく似ています。
カタログデータは、Cds抵抗値

OFF抵抗:400MΩ
ON抵抗
 1mA:1.2kΩ
10mA:250Ω
40mA:120Ω
です。
R4:300〜100kΩの間で発振しました。
(写真は、R4:10kΩ DIV/0.1ms/1V)

R4:100kΩ−10kΩまで、振幅電圧3Vp−pで安定していました。
発振がはじまるR4:300Ωで振幅電圧は10Vp−pでした。