パラメトロンの研究
パラメトロンは、海外にない日本の独自技術です。
昭和29年7月 当時 東京大学 理学部 物理学科 高橋研究室で、
当時学生だった、後藤英一氏によって発明されました。
電気科でも電子科でも情報科でもなく、物理学科で誕生したのです。
世界のコンピュータの歴史の流れをみると、機械式、リレー式、
真空管、トランジスタ、・・・とパラメトロンの名前は出てきません。
パラメトロンは、真空管がトランジスタに切り替わる、わずか数年間
日本にのみ存在した独自の技術なのです。
真空管式は、ヒータを温めるのにかなりの電力を必要とし、
安定して働かせる為には、毎回のように調整が必要で、
また、球切れという寿命もありました。
トランジスタ式も、当時は夢の素子としてもてはやされていましたが、
ヒータが無い分、電力こそ真空管ほど食いませんが、
熱にも衝撃にも弱く、直ぐに壊れしまい、とても頼りない性能でした。
そんな中、現れてきたのがパラメトロンです。
動作こそ、それ程速くはありませんでしたが、
基本回路が、フェライトコア2個とコンデンサと抵抗なので、
価格は真空管やトランジスタと比べ圧倒的に安く、
構造や仕組みも簡単で、頑丈で寿命が長く、
動作も安定していました。
しかし、間もなくトランジスタの性能が向上し、安価になると、
動作の遅いパラメトロンは姿を消していきました。
電子計算機というと、常に最高性能を求められ、
とかくそのスピードや、記憶容量などの
性能に目が行きますが、当時まだ貧乏だった日本で、
多くの人が電子計算機に触れられる機会を
与えられたことは、とても大きかったのではと思います。